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COPDの急性増悪後の生活は「死よりも悲惨」な状態に -第99回アメリカ胸部学会でCOPD患者に関する新たな研究結果が示される-
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2003-05-23 |
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2003年5月16日、第99回アメリカ胸部学会が米国シアトルで開催され、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に関する新たな研究結果が報告されました。この報告によると、重症のCOPD患者が急性増悪(ぞうあく)により入院した場合、その健康状態は大幅に悪化し、こうした患者の80%が、身体全体の健康状態を「死よりも悲惨な状態-`WORSE THAN DEATH'」と表現しているということです1。
J. オライリー氏(英国ブラックプール・ビクトリア病院)はこの研究結果について次のように述べています。「この研究結果は、COPDの急性増悪が実際に患者のQOL(生活の質)に計り知れない打撃を与えるものであることを示しています。また、"増悪"ではなく"肺発作"という用語を用いて強調する研究者もいるほどで、COPDの増悪がどのくらい患者に影響を与え、精神的なショックを与えているかという点では、心臓発作と同じくらい重篤であり、患者を衰弱させるものです。」
「急性増悪」は、COPDの症状の悪化と定義され、例えば、ひどい息切れや咳、気道の分泌物の過剰な増加など、突然の症状の悪化が特徴として挙げられます。COPDで入院治療を必要とする場合、そのほとんどは急性増悪が原因と考えられ、入院患者の約半数は集中治療室での治療を要します。また、COPD患者ではおよそ8人のうち1人が増悪のため入院が必要となると報告されています2。
一般的にCOPDの急性増悪後の予後は悪く、QOLの低下の原因になることから、COPDの治療は当然、急性増悪の予防に焦点が当てられます。J.ベストボ氏(デンマーク、コペンハーゲンHvidovre病院)は、「この研究結果は、急性増悪がいかに患者に多大な影響を与えているかを明確に示しています。COPDの適切な臨床管理のためには、急性増悪の予防措置が極めて重要なファクターとなります」と話しています。
COPDの諸症状を速やかにコントロールし、肺機能を改善し、さらに増悪を軽減させるには、長時間作動型β2刺激薬と吸入ステロイド薬との併用のような新たな治療法が有効であることが明らかになっています3,4。さらに、最近の解析5,6から、キシナホ酸サルメテロール(長時間作動型β2刺激薬)とプロピオン酸フルチカゾン(吸入ステロイド薬)との併用によってCOPD患者の生存率が高まることがわかっています。
COPDは、全世界的に人々の健康上の重大な問題となおり、2000年のCOPDによる死亡数は250万人以上にものぼります8。また、WHO(世界保健機関)は全世界での罹患者数が既に6億人に達していると推定しています7。さまざまな推定値から、2020年までに先進国ではCOPDが主な死因の第3位になり7、さらに身体障害の主な原因の第5位になることも示唆されています9。
グラクソ・スミスクラインは、世界中の人々がより充実して心身ともに健康で長生きできるよう、生活の質の向上に全力を尽くすことを使命とします。
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<参考資料>
COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:慢性閉塞性肺疾患)とは:
COPD治療の国際的な診断・管理・予防のガイドラインである、GOLD (Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)では、COPDは、「完全に可逆的ではない気流制限を特徴とする疾患」として定義されている。この気流制限は通常進行性で、たばこ煙のような有毒な粒子に対する肺組織の異常な炎症性反応と関連している。COPD(慢性閉塞性肺疾患)には、"慢性気管支炎"と"肺気腫"が含まれる。臨床的には「慢性の咳、痰、呼吸困難」を引き起こし、中高年以降に発症することが多く、喫煙が主要なリスクファクターであると報告されている。福地教授(順天堂大学)らによる疫学調査の結果では、潜在患者数は530万人以上と推定されている。
COPDの「急性増悪」について:
COPDの患者は、しばしば急性の呼吸器症状の悪化をきたすことがある。原因は主に呼吸器感染症であり、その他に大気汚染、肺炎、心不全などがある。COPD増悪の明確な定義は現在まだ存在していない。COPDのある特定症状の悪化を増悪と定義することもあり、また、抗生剤や経口ステロイド剤による治療が必要となるような、あるいは入院が必要となるような急激な臨床状態の変化を増悪と定義することもある。COPDの増悪は、死亡率の増加や、健康状態の低下に重大な影響を与えることが知られている。
J.オラリー氏(Dr John O'Reilly)は、英国ブラックプール・ビクトリア病院NHSトラスト胸部専門顧問医です。J.ベストボ氏(Dr Jørgen Vestbo)は、コペンハーゲン大学附属病院ヴィドーヴェ(Hvidovre)病院呼吸器内科の顧問医です。
GSKの呼吸器領域製品について:
『セレベント®』: 一般名 キシナホ酸サルメテロール、長時間作動型吸入気管支拡張薬(LABA: Long-acting inhaled β2-agonist)小児、成人における気管支喘息と、慢性閉塞性肺疾患の治療薬である。本邦において2002年6月に発売。『セレベント®』は、日本で初めて「慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)」の適応症を取得した。
『フルタイド®』:一般名 プロピオン酸フルチカゾン、吸入ステロイド薬(ICS: Inhaled corticosteroid)
本邦において1998年に発売。小児、成人における、気管支喘息治療薬である。
『Seretide®』(日本での製品名は「セレタイド」(予定), プロピオン酸フルチカゾンとキシナホ酸サルメテロールの配合剤) 上記の2剤(セレベント®、フルタイド®)両成分を含む配合製剤である。海外では気管支喘息の治療薬として80カ国以上で承認されており、COPDの適応症においては10カ国以上の国で承認されている。日本では、現在開発段階(フェーズIII) にある。
『サルタノール®』: 一般名 硫酸サルブタモール、短間作動型吸入気管支拡張薬(SABA: Short-acting inhaledβ2-agonist) 本邦においては、1978年に発売。気管支喘息、小児喘息、肺気腫、急・慢性気管支炎、肺結核の治療薬である。発作発現時にリリーバー(発作治療薬)として頓用される薬剤である。
参考文献:
1 O'Reilly J. Health utility burden for exacerbation of COPD requiring admission into hospital as measured by the EQ-5D.
Abstract presented at American Thoracic Society Annual Conference 2003, Seattle.
2 Anto JM, Vermeire P, Vestbo J, Sunyer J. Epidemiology of chronic pulmonary disease. Eur Respir J 2001; 17: 982-994
3 Calverley P, Pauwels R, Vestbo J et al. Combined salmeterol and fluticasone in the treatment of chronic obstructive pulmonary disease: a randomised controlled trial. Lancet 2003; 361: 449-456.
4 Vestbo J, Pauwels R, Calverley PMA et al. Salmeterol / fluticasone propionate combination produces improvement in lung function detectable within 24 hours in moderate to severe COPD. Abstract presented at American Thoracic Society Annual Conference 2003, Seattle.
5 Mapel D, Roblin D, Hurley J, Davis KJ, Schreiner R, Roberts M, Frost F. Survival of COPD patients exposed to inhaled corticosteroids. Chest 2002; 122(4 Suppl): 74S.
6 Soriano JB et al. Survival in COPD patients after regular use of fluticasone propionate and salmeterol in general practice. European Respiratory Journal 2002 (ERJ); 20: 819-825.
7 World Health Report 1998. Life in the 21st Century: A Vision for All. World Health Organisation 1998
8Murray CJL, Lopez AD, Mathers CD, Stein C. The global burden of disease 2000 project: aims, methods and data sources. Global Programme on Evidence for Health Policy Discussion Paper No.36. World Health Organisation, Nov 2001.
9 Murray CJL, Lopez AD. Alternative projections of mortality and disability by cause 1990-2020: global burden of disease study. Lancet. 1997; 349: 1498-1504. |
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