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慢性閉塞性肺疾患(COPD)の肺の炎症が サルメテロール/フルチカゾン配合剤で抑制される - 相乗効果により広範囲の抗炎症効果を示す試験結果得られる - |
2006-04-07 |
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グラクソ・スミスクライン(本社:英国、以下GSK)の「セレタイド」*(サルメテロール/プロピオン酸フルチカゾン配合剤)が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者における炎症を抑制するという試験結果が発表されました。これは、American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine (AJRCCM) Vol 173. pp.736-743に発表されたもので、COPDにおける気管支の炎症が既存の治療法で抑制されることが示された初めての試験結果です1。この類の試験としては最大規模である本試験では、「セレタイド」投与によって、これまで吸入ステロイド薬単剤投与では認められなかった広範な抗炎症効果が得られることが示唆されました1。
この試験は、13週間の多施設共同二重盲検比較試験で、中等症ないし重症のCOPD患者140人を対象に気管支生検および喀痰検査が実施されました。この試験に参加したのは、現在喫煙中または過去に喫煙歴を有する患者であり、「セレタイド」(サルメテロール/プロピオン酸フルチカゾンを50/500mcg)投与群またはプラセボ投与群に無作為に割り付けられました1。試験の結果、「セレタイド」投与群では、プラセボ投与群と比較して気管支生検標本中の炎症マーカー数が有意に減少しました。CD8+細胞の絶対数は36%減少(p=0.001)し、喀痰中の好中球数は8.5% 減少(P=0.04)しました1。CD68+細胞では、配合剤投与による影響は認められませんでした1。
広範な抗炎症効果と共に、肺機能の改善も認められました。気管支拡張剤使用前の1秒量(FEV1)において有意な改善が認められ(P<0.001)、治療の変更が必要となるCOPDの増悪も有意に減少しました(P=0.025) 1。これらの効果は、サルメテロールとプロピオン酸フルチカゾンが併用され相乗作用を示したために得られたと考えられます1。
さらに本試験では、好中球総数がベースラインから有意に減少し(53%;p=0.046)、喀痰中の好酸球総数も有意に減少しました。また、CD45+およびCD4+細胞、TNF-αおよびインターフェロンγの遺伝子発現細胞も減少しました(全てにおいてp ≤ 0.03)。COPDは初期段階から炎症が見られる、複合的要因を有する疾患です。肺の炎症は、有害物質やガスの吸入によるものです2。この試験で得られた知見はCOPD治療に大きな影響をもたらすものと考えられます。
この試験は、COPDの重症度が中等症または重症と分類される患者を対象に、気管支生検および喀痰標本採取を反復施行した試験としては最大規模の多施設共同試験です。この試験から得られた知見は、現在のガイドラインで推奨されているよりも早期に配合剤による治療を開始することが有用であろうという見解を支持するものであると、論文執筆者は提唱しています1。
この試験の結果について、順天堂大学呼吸器内科客員教授の福地義之助先生は次のように述べておられます。「既存の治療薬の中で、COPDに関与する主要な炎症細胞を減少させる効果が示された薬剤は今までありませんでした。そのため、この度の新しいデータは非常に画期的です。COPDの治療は、症状の改善と同時に疾患の根本的要因である炎症の改善を目指さなくてはなりません。本試験の結果は、サルメテロールとプロピオン酸フルチカゾンの相乗的な作用が単剤投与よりも大きな臨床効果をもたらし、COPD治療の目標達成に寄与できることを示唆しています。」
過去に行われた観察研究において、吸入ステロイド薬と長時間作動型吸入β2刺激薬 の併用と死亡率の減少との間に関連性があることが示されてきました3。また、呼吸器疾患の薬物治療がCOPD患者の全死因死亡率に及ぼす効果を検証する初の試験であるTORCH 試験 (TOwards a Revolution in COPD Health)という画期的な試験も行われています4。TORCH試験ではCOPDにおける「セレタイド」の効果を検証しており、試験結果の速報が先日発表されました。GSKはできるだけ早期に論文審査を有する学術専門誌にTORCH試験の結果を正式投稿する予定です。
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グラクソ・スミスクラインは、研究に基盤を置き世界をリードする、医薬品およびヘルスケア企業であり、人々が心身ともに健康でより充実して長生きできるよう、生活の質の向上に全力を尽くすことを企業使命としています。
*「セレタイド」は、既に日本でも発売されている吸入ステロイド薬「フルタイド」(一般名:プロピオン酸フルチカゾン)と長時間作動型β2刺激薬「セレベント」(一般名:キシナホ酸サルメテロール)の配合剤です。海外では、気管支喘息の治療薬として110カ国以上で承認されており、慢性閉塞性肺疾患(COPD)においても60カ国以上で承認されています。日本においては、気管支喘息の適応で承認申請中であり、また、COPDの適応取得に向けた臨床試験が行われています。
<参考>
COPDについて
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、予防・治療が可能な疾患であり、完全には可逆的ではない気流制限を特徴としています。タバコ煙のような有毒な粒子やガスに対する肺組織の異常な炎症反応と関連しています。COPDは、気流制限(呼吸困難)のある患者における慢性気管支炎、肺気腫、慢性気管支炎/肺気腫の併発を指す総称です。
COPDは、気道の炎症を根底とした、複合的要因を有する疾患です。気道の炎症以外には、気道組織の変化や粘膜繊毛の機能障害などの病態があります。これら全てが気流制限につながり、全身的な症状をもたらし、健康状態やさらには生命まで脅かすことになります。
世界保健機構(WHO)は、世界に推定6億人ものCOPD患者がいるとしています7。主な死因のうち、COPDは唯一世界的に増加している死因です(冠状動脈性心臓病、脳卒中、その他心血管系疾患はいずれも継続的かつ大幅に減少している)。
日本ではCOPDの潜在患者が530万人以上いると推定されています。年間13000人以上がCOPDで亡くなられており、死亡原因別順位は10位です。
Barnes NC他の試験について1
- 気管支生検および誘発喀痰標本は、13週間投与の二重盲検試験に組入れられ、プラセボ(n=73)またはサルメテロール/プロピオン酸フルチカゾン50/500μg(n=67)の1日2回投与に無作為化割付けされた140人の現在喫煙中または過去に喫煙経験がある中等度から重度のCOPD患者(平均年齢64歳)から採取した。
- 実薬とプラセボの比較は、生検標本中のCD8+細胞数およびCD68+細胞数/mm2ならびに喀痰中の好中球について、ベースラインからの変化量の中央値に対して行われた
- 配合剤治療では生検下でCD8+細胞を118 個/mm2 (95%CI -209, -42; p=0.02)、プラセボに比較して36%減少させた
- 配合剤投与によるCD68+細胞への影響は認められなかった
- 喀痰中の好中球の割合(総数ではない)は徐々に減少し、13週目には、配合剤投与群において有意な減少が認められた(中央値の治療群間差8.5%; 95% CI 1.75%, 15.25%; p=0.04)
- 配合剤投与により、CD45+、CD4+、Tumour necrosis factor (TNF)-αとインターフェロンγの遺伝子発現細胞、喀痰標本中の総好酸球が有意に減少した(全てにおいてp≤ 0.03)
- 抗炎症作用と共に、気管支拡張剤投与前における1秒量が173mL改善された(95% CI 104, 242; p<0.001)
TORCH 試験について4
- TORCH studyは、3年間の無作為化二重盲検並行群間プラセボ対照試験であり、COPDに対する「セレタイド」(サルメテロール/プロピオン酸フルチカゾン50/500mcg)の効果を検討する目的で、患者の全死因死亡率を主要評価項目としている3
- TORCH studyは、世界42カ国の中等度から重度のCOPD患者6,100人以上を対象に行われている3
- 過去の観察研究において、「セレタイド」の成分である長時間作動型β2作動薬(サルメテロール)と吸入ステロイド薬(プロピオン酸フルチカゾン)の併用治療が、COPD患者の生存率の向上に関連していることが示されている 3
References
1. Barnes NC et al. on behalf of the SCO30005 study group. Anti Anti-inflammatory effects of salmeterol/fluticasone propionate in chronic obstructive lung disease. AJRCCM 2006;173:736-743.
2. Global strategy for the diagnosis, management, and prevention of chronic obstructive pulmonary disease Updated 2005, Executive summary. http://www.goldcopd.com/Guidelineitem.asp?l1=2&l2=1&intId=996, last ccessed 19 January 2006.
3. Soriano JB et al. Survival in COPD patients after regular use of fluticasone propionate and salmeterol in general practice. Eur Resp J 2002;20:819-825.
4. The TORCH study group. The TORCH (TOwards a Revolution in COPD Health) survival study protocol. Eur Resp J 2004; 24:206-210.
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