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ホーム  >  報道関係のみなさま  >  プレスリリース  >  2006年1月〜6月
 
プレスリリース

糖尿病治療薬のマレイン酸ロシグリタゾン、
2型糖尿病における長期的な血糖値のコントロールにおいて
メトホルミンもしくはSU薬に比べ高い効果を示す

2006-12-11

 
ロシグリタゾンが投与開始5年時の単独療法無効のリスクを軽減

グラクソ・スミスクラインplc (GSK、本社:ロンドン)は、ADOPT (A Diabetes Outcome Progression Trial)と名付けられた大規模臨床試験において、同社の糖尿病治療薬である「アバンディア」(一般名:マレイン酸ロシグリタゾン)が治療開始5年の時点における経口糖尿病薬の単独療法無効のリスクを、メトホルミンと比較して32%(p<0.001)、またグリブリド(スルホニル尿素薬:SU薬、日本における一般名:グリベンクラミド)と比較して63%(p<0.001)軽減できたと発表しました。この国際的な大規模臨床試験は、新たに2型糖尿病と診断された4,360人を対象に行われたもので、この試験結果は、ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌と国際糖尿病連合(IDF)の第19回世界糖尿病学会で発表されました。1

試験において空腹時血糖値(FPG)と糖化ヘモグロビン(HbA1c)を測定したところ、ロシグリタゾンはメトホルミンやグリブリドと比べて、血糖値のコントロールが進行的に低下するのを有意に遅らせることができました。1 血糖値のコントロールが悪化する主な原因は、インスリン抵抗性の増悪と膵臓のβ細胞機能の低下があげられます。2 このADOPTではロシグリタゾンがインスリンへの感受性を顕著に改善し(p<0.001 vsメトホルミンもしくはグリブリド)、また膵β細胞機能の低下を有意に防ぐ(p=0.02 vsメトホルミン: p<0.001 vsグリブリド)ことが示されています。1

スティーブン・カーン教授(VA Puget Sound Health Care System and University of Washington School of Medicine, US)およびジャンカルロ・ヴィベティ教授(King's College London School of Medicine, UK)は次のように述べています。
「このADOPTは、2型糖尿病管理におけるロシグリタゾンによる初期段階での治療効果についてのエビデンスが示されています。これは、ロシグリタゾンが糖尿病治療において汎用されているメトホルミンとグリブリドよりも、血糖コントロールの進行的な悪化を遅らせ、ターゲットとなる血糖値を長期に維持することを証明した初めての試験です。 血糖値に対するロシグリタゾンの長期的な効果は、糖尿病の主な病因であるインスリン抵抗性や膵β細胞機能低下などをより顕著に改善することにつながります。」

ADOPTの結果は、英国で行われた糖尿病に対する大規模臨床試験であるUKPDS(United Kingdom Prospective Diabetes Study)から得られた結果に新たな知見を加えるものとなります。UKPDSは 1998年に発表されましたが、本試験はチアゾリジン誘導体(TZDs)の登場以前に開始されたものであり、ADOPTで用いられた3種類の経口糖尿病薬のうち、メトホルミンとSU薬の2種類しか含まれていませんでした。3-5

FPGを140 mg/dL ( >7.8 mmol/L)から180 mg/dL ( >10 mmol/L)の間に保つことが現在の一般的な治療の目安として用いられていますが1,6,7、ロシグリタゾンによる初期の治療は、血糖コントロールが徐々に悪化しFPG180 mg/dL ( >10 mmol/L)を越えるまでの期間をメトホルミンあるいはグリブリドと比較し遅らせることができました。HbA1cの平均値が7.0%未満で推移する期間は、ロシグリタゾン群60ヶ月、メトホルミン群45ヶ月、グリブリド群33ヶ月であり、ロシグリタゾン投与群でより長期的な血糖値コントロールが示されました1

グラクソ・スミスクラインの循環器・代謝性疾患領域医薬開発センター(Cardiovascular and Metabolic Medicine Development Centre)のシニア・バイス・プレジデントであるローソン・マッカートニー博士は以下の通り述べています。
「このADOPTという国際的な大規模臨床試験の結果から、2型糖尿病治療での血糖コントロールの維持においてロシグリタゾンによる初期治療が、従来の治療法に比べより効果的であるという明確なエビデンスが得られました。ADOPTは、長期の血糖コントロールという患者さんのベネフィットを明確に示すことにより、本年これまでに得られた2型糖尿病治療の基本薬としてロシグリタゾンを位置づけるためのエビデンスとして加えられることになります。」

最高6年間まで追跡調査を行なった2型糖尿病患者の大規模集団においてロシグリタゾンの忍容性は一般的に良いと報告されました。治療の中止に関しては、ロシグリタゾン投与群とメトホルミン投与群との間で著しい差はなかったものの、グリブリド投与群ではより高い中止率が認められました(グリブリド投与群44%、メトホルミン投与群38%、ロシグリタゾン投与群37%)。この差は、グリブリド投与群において低血糖による治療の中止が高かったことが主な原因でした。

うっ血性心不全の重篤な副作用が、ロシグリタゾン投与群(0.8%)およびメトホルミン投与群(0.8%)において同数(各12例)報告されましたが、グリブリド投与群では低い発現率でした(0.2%、3例)。

5年間に渡る臨床試験で報告のあった主な副作用は、各投与群で浮腫(ロシグリタゾン14.1%、グリブリド8.5%、メトホルミン7.2%)、体重増加(ロシグリタゾン6.9%、グリブリド3.3%、メトホルミン1.2%)、消化器症状(メトホルミン38.3%、ロシグリタゾン23.0%、グリブリド21.9 %)、低血糖(グリブリド38.7%、メトホルミン11.6%、ロシグリタゾン9.8%)でした1

NEJM誌における発表に加え、最近行なわれたさらなる分析で、ロシグリタゾンを投与された女性よりもグリブリドあるいはメトホルミンを投与された女性の方が副作用として骨折、主に足と上肢骨の比率が低いことが示されました(グリブリド3.5%;メトホルミン5.1%;ロシグリタゾン9.3%)1。男性において報告された骨折の数では、投与群間の顕著な差異は認められませんでした。これらの骨折率は、糖尿病女性患者を対象とした観察研究の文献に基づいたレビューや大規模なマネージド・ケア・データベース解析で見られる頻度の範囲内です8-11。このエビデンスは、高齢の2型糖尿病女性患者では骨折のリスクが高いことを示しています8-11

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グラクソ・スミスクラインは、研究に基盤を置き世界をリードする、医薬品およびヘルスケア企業であり、人々が心身ともに健康でより充実して長生きできるよう、生活の質の向上に全力を尽くすことを企業使命としています。


【参考資料】

ADOPTについて
ADOPTは、試験開始の3年以内に2型糖尿病と診断され、薬物療法を受けていなかった4,360名の患者さんを対象に、北米および欧州の400以上の施設で実施された国際的な無作為化二重盲検試験です。臨床試験の参加者は無作為にロシグリタゾン、スルホニル尿素薬(グリブリド)、メトホルミンの投与群のいずれかに分けられ、それぞれの薬剤の1日最大量(ロシグリタゾン4mg1日2回: メトホルミン 1g1日2回: グリブリド 7.5mg1日2回)まで適宜増量し薬剤が使用されました。これらの患者さんは4〜6年の期間継続的にモニターされ、それぞれの薬剤を糖尿病発症初期に単独で治療に用いた場合の血糖コントロール、インスリン抵抗性および膵β細胞機能に対する長期的な効果が検証されました。単独療法で効果が認められなくなった時点において、それぞれの最大投与量が投与されていた割合は、ロシグリタゾン投与群で99.3%、メトホルミン投与群で98.6%、グリブリド投与群で99.0%でした。1

ADOPTが計画された当時の糖尿病ガイドラインでは、血糖コントロールの評価は糖化ヘモグロビン(HbA1c)ではなく、空腹時血糖値(FPG)で行なわれていました。しかしながら本試験においては2次的な評価項目としてHbA1cに関するデータを加えました。FPGおよびHbA1cは今日の臨床現場においては一般的に用いられている指標です。

ADOPTはGSKが研究資金を提供して実施された臨床試験です。

ロシグリタゾンについて
ロシグリタゾンはチアゾリジン系インスリン抵抗性改善薬であり、 2型糖尿病治療薬として承認されています(日本では開発中)。13メトホルミンやスルホニル尿素薬に対する追加併用療法により、多くの患者さんの治療ゴールの達成と維持に寄与します。また今回のADOPTでの結果からロシグリタゾンの単独療法での長期にわたる効果が示されています。13

2型糖尿病について
2型糖尿病は進行性の慢性疾患で、心血管疾患による突然死にもつながる病気であり、世界の成人の6%に相当する2億3,000万人もの人が罹患しています。国際糖尿病連合(IDF)の推測では2025年までに糖尿病患者は3億5,000万人を越えるだろうといわれています。14 2型糖尿病は体がうまくインスリンに反応しないもしくはインスリンを十分に作ることができなくなることによって起こります。15 進行性の慢性疾患であることから、血糖値を適切なレベルに維持することが困難で、血糖コントロールのためには複数の治療薬が必要になることもあります。16,17 糖尿病にともなう合併症として失明、腎障害(腎不全・透析)、神経障害、手足の切断、心疾患、脳卒中や末梢血管障害などがあげられますが、これらの合併症を防ぐためにも血糖値を適切にコントロールすることは非常に重要です。16,18-21 これらの合併症は患者さんのQOLを著しく損なうものであり、結果的に医療コストの上昇にもつながります。22 治療を施さなければ糖尿病は死につながります。10秒に1人の割合で、糖尿病が関連する原因で人が亡くなっているといわれています。23

「アバンディア」(一般名:マレイン酸ロシグリタゾン)に関する重要な情報
国によって、薬剤の承認条件は異なりますので、処方に当たってはそれぞれの国の医薬品添付文書をご参照ください。なお、本剤は日本においては開発中であり、発売されておりません。


References:
1.Kahn SE, Haffner, SM, Heise MA, Herman WH, Holman RR, Jones NP, Kravitz BG, Lachin JM, O'Neill C, Zinman B, Viberti G for the ADOPT Study Group. Glycemic Durability of Rosiglitazone, Metformin, or Glyburide Monotherapy. N Eng J Med. 2006;355:2427-2443. Published online on: December 4, 2006.

2.Gerich JE. Redefining the clinical management of type 2 diabetes: matching therapy to pathophysiology. Eur J Clin Invest. 2002;32:46-53.

3.UKPDS Group. Intensive blood glucose control with sulphonylureas or insulin compared with conventional treatment and risk of coplications in patients with type 2 diabetes. The Lancet. 1998;352:837-853.

4.UKPDS Group. Effect of intensive blood-glucose control with metformin on complications in overweight patients with type 2 diabetes. The Lancet. 1998;352:854-865.

5.American Diabetes Association. “Rapid Increase in the Use of Oral Antidiabetic Drugs in The United States 1990-2001.” Diabetes Care, Vol. 26: 1852-1855, 2003.

6.Harris SB, Lank CN. Recommendations from the Canadian Diabetes Association. 2003 guidelines for prevention and management of diabetes and related cardiovascular risk factors. Can Fam Physician. 2004; 50:425-433.

7.Nathan DM, Buse JB, Davidson MB, et al. Management of hyperglycemia in type 2 diabetes: a consensus algorithm for the initiation and adjustment of therapy: a consensus statement from the American Diabetes Association and the European Association for the Study of Diabetes. Diabetes Care. 2006; 29:1963-1972.

8.Schwartz AV, Sellmeyer DE, Ensrud KE, Cauley JA, Tabor HK, Schreiner PJ, Black DM, Cummings SR. Older women with diabetes have an increased risk of fracture: a prospective study. J Clin Endocrinol Metabol. 2001;86:32-38.

9.de Liefde II, van der Klift M, de Laet CE, van Daele PL, Hofman A, Pols HA. Bone mineral density and fracture risk in type 2 diabetes mellitus: the Rotterdam Study. Osteoporos Int. 2005;16:1713-1720.

10.Strotmeyer ES, Cauley JA, Schwartz AV, Nevitt MC, Resnick HE, Bauer DC, Tylavsky FA, de Rekeneire N, Harris TB, Newman AB. Nontraumatic fracture risk with diabetes mellitus and impaired fasting glucose in older white and black adults: the health, aging, and body composition study. Arch Intern Med. 2005;165:1612-1617.

11.Data on file.

12.American Diabetes Association. Standards of medical care for patients with diabetes mellitus. Diabetes Care. 1998; 21::S23-S31.

13.Avandia® Prescribing Information.

14.Unite for Diabetes (International Diabetes Federation). About diabetes. Available at: http://www.unitefordiabetes.org/assets/files/About_diabetes.pdf. Accessed on November 3, 2006.

15.Groop LC. Insulin resistance: The fundamental trigger of type 2 diabetes. Diabetes, Obesity & Metabolism 1999; 1 (Supplement 1):S1–S7.

16.Stratton IM, et al. Association of glycaemia with macrovascular and microvascular complications of type 2 diabetes (UKPDS 35): prospective observational study. BMJ. 2000:321:405-412.

17.Nathan DM. Initial management of glycemia in type 2 diabetes mellitus. N Eng J Med. 2002;347:1342-1349.

18.International Diabetes Federation. Fact Sheet: Diabetes and eye disease. Available at: http://www.idf.org/home/index.cfm?unode=C1CCADE9-4A03-4D17-A662-155B3ED59FDB. Accessed on November 3, 2006.

19.International Diabetes Federation. Fact Sheet: Diabetes and kidney disease. Available at: http://www.idf.org/home/index.cfm?unode=BB08E3D8-4036-4C06-B654-5DC24D158820. Accessed on November 3, 2006.

20.International Diabetes Federation. Complications of diabetes. Available at: http://www.idf.org/home/index.cfm?node=13. Accessed on November 3, 2006.

21.International Diabetes Federation. Fact Sheet: Diabetes and cardiovascular disease (CVD). Available at: http://www.idf.org/home/index.cfm?unode=FCC1DD60-2C39-4D3C-A3C0-85247F1678F3. Accessed on November 3, 2006.

22.Unite for Diabetes (International Diabetes Federation). The economic impact of diabetes. Available at: http://www.unitefordiabetes.org/assets/files/Diabetes_econ_impact.pdf. Accessed on November 3, 2006.

23.Unite for Diabetes (International Diabetes Federation). A United Nations Resolution on diabetes. Available at: http://www.unitefordiabetes.org/assets/files/UNR_overview.pdf. Accessed on November 3, 2006.


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