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グラクソ・スミスクラインのプレパンデミック・インフルエンザワクチン、 H5N1型インフルエンザウイルスの変異株にも予防効果を示す |
2007-03-09 |
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グラクソ・スミスクラインplc(本社:英国 以下GSK)は、3月5日に同社の新しいプレパンデミック・ワクチンに関する2つの試験のデータを発表しました。このワクチンはH5N1型インフルエンザウイルスの「スプリット」抗原*を使用したもので、GSK独自開発のアジュバント(免疫増強剤)を組み込むことで、H5N1型インフルエンザウイルスが変異した亜型(変異株)に対しても十分な交差免疫を示すことが認められました。このワクチンで惹起される免疫応答によって、H5N1型インフルエンザウイルスの変異株に対し、体内の免疫機能を素早く反応できるよう事前に準備させることが可能となり、ワクチン接種をした集団をH5N1型インフルエンザのヒト-ヒト感染によるパンデミックから守ることができます。
* スプリット抗原: インフルエンザウイルス粒子を分解して得た抗原成分でHAタンパクを主成分とする抗原。
今回の新しい臨床試験データは、第9回国際呼吸器ウイルス感染症学会(ISRVI)で発表されたものです。GSK独自開発のアジュバントを組み込んだプレパンデミック・インフルエンザワクチンは、3.8μgという少量のH5N1型インフルエンザウイルスのベトナム株を抗原として含有しています。ひとつ目の試験結果によると、このワクチンはインドネシア株に対しても交差反応性のある中和抗体応答を惹起することが確認されました。ワクチン接種後42日目では、アジュバントを加えていないワクチン接種群に比べてこのワクチンを接種した群は25倍(77.1% vs <3%)の高い中和抗体陽転率を示すことが確認されました。
3週間隔でわずか3.8μgの抗原を2回接種することにより高い中和抗体応答が得られることから、GSKのアジュバントは、大きな「抗原の節約」という特性も持ち合わせていることが示されています。つまり、GSK独自開発のアジュバントを加えることで、ワクチンの生産キャパシティーを10倍以上に増やすことができるということです。 また、このワクチンは対照群と比較しても、安全性の面でも十分に基準を満たしています。ただ副反応(注射部位の圧痛)についてはアジュバント使用の影響で、対照群よりも若干高く発生しました。
今回発表されたもう一つの試験結果によると、GSK独自開発のアジュバントを組み込んだプレパンデミック・インフルエンザワクチンは、H5N1型インフルエンザウイルスの2種類の変異株に対して少ない抗原量で予防効果を示すことが認められました。前臨床動物試験の結果から、ベトナム株のH5N1型ウイルス抗原を含有したGSKのワクチンは、ベトナム株だけではなく変異株にあたるインドネシア株の致死量をウイルス感染させても、96%(23例中22例)で交差防御効果が認められました。この結果はプレパンデミック・ワクチンの接種が、パンデミック対策として極めて実行可能で有望な方策であるということを更に確信させるものです。
GSKのワクチン部門を統括するGSKバイオロジカルズ社の社長であるジャン・ステファン氏は、以下の通りコメントしています。
「GSKのプレパンデミック・ワクチンに関する今回の新しい試験結果には大いに勇気づけられました。これらのデータで、私たちのプレパンデミック・ワクチンが、ワクチンに組み込まれているウイルス抗原以外にも、違う株のH5N1型ウイルスにも予防効果を示すことが認められたのです。つまりこれは、パンデミック発生前もしくは発生時の積極的なプレパンデミック・ワクチンの接種により、インフルエンザ・パンデミックの拡大を遅らせることができることを意味します。」
インフルエンザ・パンデミックは、多大な数の病人と死亡者をともなうと予想される世界的に深刻な保健衛生上の脅威です。インフルエンザ・パンデミックの原因となるウイルス株を100%正確に予測することはできません。しかしながら、多くの専門家は、現在世界中で様々な種類の鳥で発症が確認されているH5N1型鳥インフルエンザウイルスが、最もインフルエンザ・パンデミックの原因となる可能性の高いウイルス株と想定しています。
GSKの医薬品部門のプレジデントであるデイビッド・スタウトは次のように述べています。
「私たちは、このワクチンが各国政府にとって、将来ヒトに起こりえるインフルエンザ・パンデミックから自国民を守る手段の新しい選択肢になると信じています。」
【試験の内容について】
1. GSKのアジュバントを組み込んだパンデミック・インフルエンザワクチンの交差反応免疫
この試験は、18〜60歳までの成人400人を対象とした無作為二重盲検比較試験です。試験ではクレード1*にあたるH5N1ウイルス(A/Vietnam/1194/04)を異なる抗原量(HAタンパク質として3.8μg、7.5μg、15μg もしくは30μg)で含むワクチンを接種して、GSKアジュバントを加えたものと加えていないものを比較することで、クレード2にあたる変異株(A/Indonesia/5/05)に対する副反応および免疫応答能を比較検証しました。ワクチンは21日ごとに2回接種し、0日目、21日目、42日目の3回血液を採取して調べました。ここでは、通常インフルエンザワクチンに使われるワクチン接種後に中和抗体価が接種前の4倍以上に上昇する割合(血清陽転率)を指標として用いています。
* クレードは進化論的に変異株がどの程度近い関係にあるかに基づき分類したグループに与えられる名称です。
2. 動物モデルにおける、H5N1型インフルエンザウイルス変異株に対するGSKのアジュバントを組み込んだH5N1型ワクチンの感染防御効果
H5N1/A/Vietnam/1194/04(クレード1;NIBRG-14株)を異なる抗原量(HAタンパク質として15μg、7.5μg、3.8μg、もしくは1.7μg)含むGSK独自開発のアジュバントを組み込んだワクチンを4つの動物群(N=23)に接種しました。対照群には、アジュバント単独もしくはアジュバントを組み込んでいないH5N1/A/Vietnam/1194/04(15μg)のワクチンを接種しました。0日目および21日目にワクチンを接種して、49日目に105 TCID50(培養細胞の50%に感染できるウイルス量)*のH5N1/A/ Indonesia/5/05を感染させました。
* ウイルスのような細胞変性を起こす物質を定量するのに使う単位で、ウイルスなどの物質を接種した細胞の50%に変性や異常を引き起こすことのできる量として表記する。
生きる喜びを、もっと Do more, feel better, live longer
グラクソ・スミスクラインは、研究に基盤を置き世界をリードする、医薬品およびヘルスケア企業であり、人々が心身ともに健康でより充実して長生きできるよう、生活の質の向上に全力を尽くすことを企業使命としています。 |
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