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ErbB2陽性の乳がんに対する初の経口分子標的薬 Tyverb (一般名:ラパチニブ)、欧州にて承認取得 |
2008-06-23 |
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グラクソ・スミスクラインplc(本社:英国 以下:GSK)は、初の経口低分子デュアル分子標的薬Tyverb(一般名:ラパチニブトシル酸塩水和物、以下:ラパチニブ)が、EU全加盟国の27カ国での販売について欧州委員会より条件付の承認を取得したと発表しました。承認された同剤の適応症は、アントラサイクリン、タキサンを含む治療歴、およびがん転移に対するトラスツズマブによる治療歴のある、ErbB2(HER2)過剰発現の進行性又は転移性乳がんに対するカペシタビンとの併用療法です。
今回の承認の意義は、これによりEU内での上市が可能になるということで、GSKは現在各国の当局に働きかけ、同剤を必要とする患者さんが一刻も早く使用できるよう努めています。
ラパチニブは、既承認のErbB2陽性乳がんのための標的治療薬とは異なる、新規の作用機序を有しています。同剤は、がん細胞の内部に入り込み、2つの受容体タンパク、すなわちErbB1とErbB2受容体のチロシン・キナーゼ部分を阻害する経口の低分子化合物です。これらの受容体への刺激は、腫瘍の成長および増殖に関与しています。
同剤の第III相試験(EGF100151)の責任医師の一人である国立がん研究ネットワークのディレクターおよびリーズ大学内科腫瘍学科のデイビッド・キャメロン教授は次のように述べています。
「今回の承認は、これまでアントラサイクリン、タキサンおよびトラスツズマブなど既存の薬剤による治療を受けてきたにもかかわらず、更なる治療が必要な進行性又は転移性乳がんに苦しむヨーロッパの女性にとって良いニュースとなるでしょう。ラパチニブは、静脈注射ではなく錠剤による投与という利便性からも、この特に悪性度の高い種類の進行性乳がんの治療において貴重な役割を担うでしょう。」
GSKのがん領域治療薬開発センターのシニア・バイス・プレジデントで医師のパオロ・パオレッティは次のようにコメントしています。
「今回の承認のニュースは、ErbB2陽性乳がんの治療における真の進歩をあらわします。これらの患者さんは替わりとなる治療法を本当に必要としており、GSKがその重要な治療の選択肢を提供できることに誇りを感じています。今回のラパチニブの承認は、新しいがん治療の発見や開発に対するGSKの積極的な取り組みを表しています。幅広い種類のがんに対するラパチニブの効果について評価する数多くの臨床試験を実施していますが、患者さんの命や生活に良い変化をもたらすという意味では、今回の承認はこの画期的な製品にとってはスタートにすぎないと思っています。」
提出データ
今回の承認は、アントラサイクリン、タキサン、トラスツズマブによる治療歴のあるErbB2陽性の局所進行性又は転移性乳がんの女性に対して、ラパチニブとカペシタビンの併用投与、またはラパチニブによる単剤投与を行った第III相主試験(EGF100151)の結果に基づくものです。この試験において、主治医評価での無増悪期間(病気が進行するまでの時間)の中央値がラパチニブとカペシタビンの併用投与群では5.5カ月(23.9週)だったのに対し、カペシタビン単独投与群では4.2カ月(18.3週)であったことが示されました(ハザード比0.72; p=0.008)。第三者評価によると、無増悪期間は、カペシタビン単独投与群では4.3カ月(18.6週)であったのに対し、ラパチニブとカペシタビンの併用投与群では6.2カ月(27.1週)と有意に延長したことが示されています(ハザード比0.57; p=0.001)。
中枢神経への転移は、乳がんの患者さんにとっては、大きな負担となります。第III相主試験で主要評価項目を達成したことに加え、予定していなかったレトロスペクティブの探索的解析によると、最初の再発巣としての脳転移の発生頻度の低下が示されています。このレトロスペクティブの探索的解析では、カペシタビン単独療法群では6%の患者さんにおいて脳における再発が確認されたのに対し、ラパチニブとカペシタビンの併用療法群では2%でした。ラパチニブを加えた場合のこれらの結果は確定的ではないものの大いに期待できるものであり、現在進行中のこの領域における研究の基となっています。
第III相主試験で見られたラパチニブおよびカペシタビンの併用療法の主な有害事象は、下痢、悪心、嘔吐といった消化器症状または発疹、手足症候群といった皮膚疾患でした。下痢および発疹は、カペシタビン単独に比べ、ラパチニブとの併用療法においてより頻回に見られた有害事象でした。 ほとんどの有害事象は軽症から中等症であり、グレード3や4の有害事象の発生頻度は低く、カペシタビン単独でもラパチニブとの併用療法においても同程度でした。ラパチニブについては、左心室駆出分画率(LVEF)の低下や、肺毒性および肝毒性の発生への関与も報告されており、添付文書において医師に対する処方上のアドバイスが記載されています。
条件付の販売承認は、その薬剤が満たされない医療ニーズを満たすもので、直ちに普及させることによる公衆衛生上のベネフィットが、追加データが必要であるという固有のリスクを上回る場合に付与されるものです。条件付の販売承認は、1年ごとに更新可能です。今回の販売承認の条件の一部として、GSKは主試験から更なるデータを提供し、また追加の臨床試験も実施していきます。
ラパチニブの今後:現在進行中の臨床試験
転移がんから早期乳癌までのErbB2陽性乳がんに対して、ラパチニブ単独療法および、化学療法、ホルモン療法、他の分子標的薬や血管内皮細胞増殖因子(VEGF)阻害剤といった他剤との併用療法について、総合的な臨床開発プログラムにおいて評価がなされています。胃がんや頭頸部がんを含め幅広い種類のErbB1およびErbB2の過剰発現がみられる固形がんに対する試験が現在実施中または、計画中です。
がん領域に取り組むGSK
GSKは、患者さんの命や生活に大きな変化をもたらすような、がん領域における画期的な製品を作り出すことに取り組んでいます。GSKの革命的な「研究室から病床まで」の開発アプローチを通じて、治療薬の発見・開発の方法を変化させ、がん領域における最も堅固な開発パイプラインを築きました。私たちのがん領域における世界的な研究は、160以上のがんセンターとのパートナーシップが含まれます。GSKは、がんの予防や支持療法から化学療法や標的療法などがん領域のすべての面から、患者さんにフォーカスした新世代の薬剤を網羅しつつあります。
生きる喜びを、もっと Do more, feel better, live longer
グラクソ・スミスクラインは、研究に基盤を置き世界をリードする、医薬品およびヘルスケア企業であり、人々が心身ともに健康でより充実して長生きできるよう、生活の質の向上に全力を尽くすことを企業使命としています。
【参考】
Tykerbは米国およびその他の国におけるラパチニブの製品名です。
TyverbはスイスおよびEU諸国におけるラパチニブの製品名です。
TykerbおよびTyverbはグラクソ・スミスクライン・グループの登録商標です。
同剤の承認申請はカナダをはじめアジア、ラテンアメリカ、および中東の国々で提出されています。
(訳注:日本において本薬剤は申請中です。) |
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