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プレスリリース

Tyverb®/Tykerb® (一般名:ラパチニブ)と
レトロゾールの併用投与により閉経後女性のErbB2陽性転移性乳がんの進行を有意に抑制

ホルモン受容体陽性患者を対象とする大規模試験の1つで経口薬による一次治療の臨床効果が明らかに

2008-12-25

  2008年12月11日 英国ロンドン発

転移性乳がんの新たな試験結果から、一次治療としてTyverb®/Tykerb®(一般名:ラパチニブトシル酸塩水和物、以下、ラパチニブ)とレトロゾールを併用投与すると、フェマーラ(Femara®)(一般名:レトロゾール)単独投与よりもがんの進行を遅らせるのに有意な効果があったことが明らかになりました1。ホルモン受容体陽性(HR+)かつErbB2陽性の閉経後転移性乳がんと診断された患者での無増悪生存期間(PFS)中央値は、併用投与例では単独投与例に比べて5.2ヵ月延長しています。本試験の結果は、2008年12月10日~14日開催の第31回CTRC-AACRサンアントニオ乳がんシンポジウムで発表されました。

この二重盲検プラセボ対照試験(EGF30008)では、1286人の閉経後HR+乳がん患者をラパチニブ+レトロゾール併用投与群とレトロゾール単独投与群のいずれかに無作為に割り付けました。アロマターゼ阻害薬のレトロゾールは、HR+乳がんの治療薬としてすでに知られているものです。ErbB2の状態に無関係に無作為に割り付けましたが、HR+かつErbB2陽性の患者でのPFSを主要評価項目として検討しました。

独立した中央測定により、219人がErbB2陽性と判定されました1。HR+かつErbB2陽性の乳がんに対する現在の治療法としては、モノクローナル抗体と化学療法の併用があります。本試験ではこのような患者にラパチニブとレトロゾールを併用投与したときのPFS中央値は8.2ヵ月で、レトロゾール単独投与時の3.0ヵ月と比較し有意に延長しました(HR=0.71、p=0.019)1。これは41%の改善に相当します。

GSKがん領域 研究開発部門のシニア・バイス・プレジデントのパオロ・パオレッティは次のように述べています。「HR+かつErbB2陽性の患者さんでこのように良い結果が出たことから、ラパチニブとレトロゾールの併用療法は今後この種の乳がんの治療で、医師にとっても患者さんにとっても一次治療の経口薬療法となりうるでしょう。近い将来、このデータを手に規制当局と協議に入る予定です。」

ITT集団、すなわちErbB2の状態を問わない全患者での解析でも、ラパチニブとレトロゾールの併用投与群では進行までの期間が平均で11.9ヵ月であり、レトロゾール単独投与群の10.9ヵ月と比べて1ヵ月延びています(HR=0.86, p=0.026) 1。したがって ITT集団の中には、この併用投与が有益であったHR+かつErbB2陰性の患者さんもおり、このような患者さんたちに注目してさらに詳しく調べる必要があるでしょう。

レトロゾールとラパチニブの併用投与は管理しやすく、安全上の新たな問題もみつかっていません。併用投与群または単独投与群のいずれかで発現率が2%以上であったグレード3または4の有害事象は、下痢(併用群で9%、単独群で1%未満)、背部痛(併用群で2%、単独群で2%)、疲労(併用群で2%、単独群で1%未満)、ALT増加(併用群で2%、単独群で1%未満)、AST増加(併用群で2%、単独群で1%未満)です。

ErbBファミリーに属するものをはじめとする増殖因子受容体は、細胞の増殖と生存に重要な役割を果たしています2。これらの蛋白受容体にねらいを定めることで、がん細胞を殺して腫瘍の成長を抑えることができます。乳がんの全症例の約70%がHR+ですが3、HR+腫瘍のうち一次治療としてのアロマターゼ阻害薬が奏効するのは3分の1にすぎません。さらに、最初はアロマターゼ阻害薬が奏効してものちに同薬が効かなくなることがあり、この場合進行して最終的には死亡に至ります4。最近の研究で、HRとErbB受容体の相互作用が薬剤耐性機序の中心的な役割を果たしていることが明らかになっており、今回の試験はこの仮説に基づいて実施されたものです5

EGF30008試験について
EGF30008試験は、HR+の閉経後転移性乳がん患者1286人を対象とした無作為化、二重盲検、プラセボ対照の第III相試験です。一次治療として、低分子デュアルチロシンキナーゼ阻害薬であるラパチニブとアロマターゼ阻害薬であるレトロゾールの併用投与またはレトロゾールの単独投与のいずれかに患者を無作為に割り付け、2つの療法の有効性を比較しました。併用投与群にはレトロゾール2.5mgとラパチニブ1500mgを1日1回投与し、単独投与群にはレトロゾール2.5mgとプラセボを1日1回投与しました。本試験の主要評価項目はHR+/ErbB2陽性患者群でのPFSであり、ITT集団全体でのPFSも副次的に解析しました。副次的評価項目は奏効率(ORR)、臨床的有用率(CBR)、効果発現までの期間、効果持続期間、全生存期間、安全性評価、QOLでした。ホルモン療法は補助療法(治験参加前1年)としてのみ使用を認め、投与群のクロスオーバーは許可しませんでした。

Tyverb®/Tykerb®(ラパチニブ)について
ラパチニブはEGFRとErbB2のチロシンキナーゼ受容体を阻害する経口低分子化合物です。EGFRとErbB2を刺激すると、細胞増殖ならびに腫瘍の進行や転移に関わる多数の過程が引き起こされます。ヒトの様々な腫瘍でこれらの受容体の過剰発現が報告されており、このような過剰発現があると予後が不良となり、全生存期間が短くなります。

ラパチニブはトラスツズマブによる治療歴のある患者さんの治療薬として63ヵ国で承認されています。2007年3月13日には米国食品医薬品局(FDA)が、アントラサイクリン、タキサンおよびトラスツズマブを含む前治療歴があるErbB2過剰発現の進行性または転移性乳がんの治療に対するカペシタビンとの併用療法としてラパチニブを承認しました。2008年6月10日には、欧州委員会がEU全加盟国の27ヵ国でのラパチニブ販売について条件付で承認することを決定しました。このほか、オーストラリア、インド、ブラジル、ロシア、トルコ、韓国、台湾など世界各国でラパチニブは承認されています。また、カナダ、中国、日本、メキシコ、さらにはラテンアメリカ、中東、アフリカ、アジア太平洋地域の数多くの国々で、ラパチニブは現在申請中です。

ラパチニブには肝毒性があり、ときには重度の肝毒性を生じ、死亡例の報告もあります。ただし因果関係は確かではありません。ラパチニブで治療を行う際には、治療開始前、治療期間中は4~6週ごと、その他でも臨床的必要性に応じて肝機能検査を実施する必要があります。すでに重度の肝機能障害がある患者さんでは、用量の減量を検討すべきです。肝機能検査値に重大な変化が認められたならば、ラパチニブの投与は中止しなければならず、投与再開は認められません。

がん領域に取り組むGSK
GSKは、患者さんの命や生活に大きな変化をもたらすような、がん領域における画期的な製品を作り出すことに取り組んでいます。GSKの革命的な 「研究室から病床まで」の開発アプローチを通じて、治療薬の発見・開発の方法を変化させ、がん領域における最も堅固な開発パイプラインを築きました。私たちのがん領域における世界的な研究は、160以上のがんセンターとのパートナーシップが含まれます。GSKは、がんの予防や支持療法から化学療法や標的療法などがん領域のすべての面から、患者さんにフォーカスした新世代の薬剤を網羅しつつあります。

グラクソ・スミスクラインは、研究に基盤を置き世界をリードする、医薬品およびヘルスケア企業であり、人々が心身ともに健康でより充実して長生きできるよう、生活の質の向上に全力を尽くすことを企業使命としています。

報道関係者の皆様へ
GSKのがん領域に関わる最新のメディア向け資料については、www.gskcancermedia.comをご参照ください。

TYKERB®は米国および欧州以外の国々におけるグラクソ・スミスクライン・グループの登録商標です。
TYVERB®はEU諸国におけるグラクソ・スミスクライン・グループの登録商標です。
FEMARA®は米国およびEU諸国におけるノバルティスの登録商標です。

References
1.Johnston, S et al. Lapatinib Combined with Letrozole vs. Letrozole Alone for Front Line Postmenopausal Hormone Receptor Positive (HR+) Metastatic Breast Cancer (MBC): First Results from the EGF30008 Trial. Abstract #46, presented at 16.45 – 17.00 CT, Friday 12th December, 2008, at the 31st Annual CTRC-AACR San Antonio Breast Cancer Symposium.
2.Normanno N, Bianco C, De Luca A, Maiello MR, Salomon, DS. Target-based agents against ErbB receptors and their ligands: a novel approach to cancer treatment. Endocrine-Related Cancer 2003; 10;1-21.
3.Bedard PE, Freedman OC, Howell A et al. Overcoming endocrine resistance in breast cancer – are signal transduction inhibitors the answer. Breast Cancer Res Treat. 2008 108:307-317
4.Prat, A and Baselga, J. The role of hormonal therapy in the management of hormonal-receptor-positive breast cancer with co-expression of HER2. Nature Clinical Practice Oncology. 2008;5:531-542
5.Arpino G, Wiechmann L, Osborne CK, et al. Crosstalk between the Estrogen Receptor and the HER Tyrosine Kinase Receptor Family: Molecular Mechanism and Clinical Implications for Endocrine Therapy Resistance. Endocrine Reviews. 2008; 29(2): 217-233


この資料は、英国グラクソ・スミスクラインが2008年12月11日に発表したプレスリリースの日本語訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先します。詳細はhttp://www.gsk.comをご参照下さい。また、内容が日本国内の状況と異なることがありますのでご留意下さい。


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